設計とは******
建築を設計するという行為は、夜空の星から、その依頼者の求めるたった一つの星を見つける ようなものにたとえられます。 その星に輝きを持たせ、住み手の家族が、その星にいることが快く寛げる住まいが理想です。

そのためには、建築家は努力をします。研究を重ねます。意図を伝えます。 設計図の一本の線の持つ意味を心に問いながら、図面に定着させて行きます。 図面が、現実に立上り、かたちを見せ始めると、頭のイメージを確認します。 屋根が出来、窓が嵌められ、床や壁が貼られ、庭が出来 やがて完成し引き渡されます。 その引渡しの時、建築家は一瞬絵もいわれね寂しさに襲われるものです。その瞬間は娘の結婚 のときの気持ちに似ています。手がけ、目論んだ住まいが旅立つときです。  建物の命は、そのときに訪れるのです。 長い、過酷な自然に立ち向かい、住み手を守ります。 いくつもの、建築を手がけてみると、建築設計の心得が幾つかあるのがわかります。 以下、其のあたりのことを、記してみます。

設計の心得について
建築家を志たころ、イタリアのジオ・ポンテイの「建築を愛しなさい」という、一冊の本に出会いました。 建築の素晴らしさと、厳しさを教えてくれた情熱溢れる本でした。 また、神田の建築の古書店で、深紅の表紙のフランク.ロイド.ライトの」The Testemennt」という本に 出会いました。感動しました。まるでライト本人から、伝えてもらったような気がしました。 更に、ル・コルビジェ の本に接して、建築の設計の目指すところを学びました。 ですから、先人の所の前に、設計の心得を今更書き残すことも無いのですが、あえて この仕事をしての経験を整理してみます。有効な心得に繋がることを願って・・・・・・
1 ・ Less is More
発想を極限まで削ぎ落とし、搾り出された、最後に残ったものが最高に美しい。 表現も要素を減らした方が、かえって相互に関係を純化させ美しくなるもの。 あれもしたい、これもしたいを押さえて、可能な限り案を純化させることが、建築を美しく認識させる。
2 ・多様性の美学
アールヌーボーの表現に見られる多様なイメージの重なり合いから生まれる美しさ。 18世紀の建築や江戸や明治の建築に見られる、装飾性の美学は確かに美しい。
3 ・秘めざるは華
日本建築や庭園にある内と外の中間領域のようなあいまいな領域が、ゆとりと寛ぎを   与えてくれる。坪庭や縁側、広縁、があいまいの空間です。 あえて語ろう。インテリア、エクステリアの中間を意識して設計せよと。
4 ・あいまいの世界
表現の奥義は、ジャパネスクに極まる。そこには自然素材や、金属素材、ガラス素材 のあらゆる素材の組み合わせ、再構成の世界が広がる自由な表現世界がある。 窮したときは、ジャパネスクと言ってもいいかもしれない。
5 ・ジャパネスク
紙の壁紙をベースに珪藻土を表面にコーティングしてある壁紙です。比較的安価。
材料の元は、水中のプランクトンの化石骸の粒子で、材料の元は、水中のプランクトンの化石骸の粒子で、細かい気孔のある粒子が湿気を吸収し、空気が乾燥した時はすばやくはき出す調湿機能があり、石膏ボードとの組合せにより結露の発生を抑制いたします。
6 ・自然体
建築と水は様々な関係がある。例えば漏水もそのひとつだが流れ落ちる水路を妨げてはならない。 自然体で、設計すること、自然のあり方に逆らわない設計、是ができると気分がいい。
7 ・リスク設計
設計するとき、様々な状況を想定しておかなくてはならない。設定した条件をはるかに超える条件下に 建物がさらされる場合いもできり限り想定しておくことが高寿命化に繋がる。 リスク設計の考えを持とう。常にリスクに対応できる設計姿勢が大切です。
8 ・デーテール
建築はデーテールに極まる。ものとものがぶつかり合うところにデーテールが発生する。 その構成の関係を合理的に理性的に整理することが、建築を美しく磨き上げてくれる。 また、施工の合理性や経済性をも高めてくれる。
9 ・三位等分
建築設計は絵画や彫刻のような、純粋芸術ではない。造る人と住む人と設計する建築家との共同 作業です。従って、設計はその中心にあって常に住まいの発注者と施工者との関係を常に均等に保つ ように、仕事を進めなくてはならない。 三位等分とはこの状態を最後まで多々持つことにあります。
10 ・積善之家必有余慶
私の組織の 大切な教えです。 住宅を創る方にも、贈る言葉です。