構造は設計の柱
耐震擬装問題が発生して建築の耐震性の大切さが、改めて認識されるようになったのです。建築士法、建築基準法があからさまに無視されてきた結果です。建築家は構造の大切さを理解し、設計図面だけでなく、施工監理を確実に行うことが大切です。耐震擬装問題は、建築を商品として販売する側や施工する側の建築士が起こした問題とも言えません。専門建築家の責任と役割が、見直されています。建築士法の抜本改正の提言がされようとしています。
割り増し基準
当社は耐震の現行の法的技術基準以上の安全率を割り増し(1.2〜)した構造設計を推奨しています。構造は、何よりも優先します。構造は設計の柱です。

耐震・制震・免震工法
建物の耐震技術は、従来の耐震構造と、新しい構法である免震構造と制震構造に大別されます。阪神淡路震災後の耐震技術はようやく信頼できる工法に育ってきました。制震・免震工法もその普及を阻んできたコスト面も、ようやく手が届く範囲になってきました。ただし、その制震工法のメーカーの技術情報や実験値等をを調べてみると、その信頼性の疑問と各部の納まりに機能的制約もあるのです。 採用すればすべて解決なのではなく、幾つかの制約もあるのです。 以下に、最近の工法の違いと原理を紹介します。
耐震工法と免震構造
「免震」とは、読んで字のごとく、「地震から免れる」技術のことを言う。
「耐震」が地震の力に建物の力で対抗するのに対し、「免震」は地震による激しい揺れを受け流すことが特徴です。その仕組みは、免震装置が地震の力を吸収して、激しい振動を小さくゆっくりとしたものに換えるというもの。そして、この「免震」がなによりも有意義なのは、家具などの転倒・落下や窓の破損による二次災害を防いで、家族の命や財産を守れるということです。また、免震、制震技術による耐震補強(レトロフィット)により、歴史的建築物や緊急時に機能すべき建物(医療施設や消防署など)を大地震から守る事も可能です。
耐震と免震構造の違い
従来の耐震は地震の横揺れ(水平力)に対し壊れないだけの強さ(剛性)を持たせる耐震構造です。これに対して免震構造は、地震の水平力をゴムやベアリングでできた可動部分(免震装置)で吸収し、建物自体に伝わらせない考え方を言います。
免震建物では、地震時には1階から最上階までほぼ一定にゆっくり(加速度が低減されていること)とゆれ、窓ガラスや柱、梁を損壊させることなく、資産と将来生活を保全することができます。
家具などの収容物は、その縦-横比や設置面の状況によって転倒する限界が異なってきます。従来建物での研究成果では、和ダンスや本棚は加速度200〜250(cm/sec2)程度の応答加速度で転倒します。阪神・淡路大震災じの死因の多くは収容物の転倒による圧死とも言われています。
 一方、免震構造では、免震装置の装着により応答加速度を大きく低減し、(住宅では、150(cm/sec2)以下に低減)かつ周期を伸ばすため家具や医療機器などの収容物の転倒を防ぎ、資産価値の保全と震災後の生活そのものを保障することができます。
免震建築物は、地震の振動エネルギ−を免震層で吸収するため建物の揺れは1/2〜1/3に低減され、大地震時にも極めて高い耐震安全性を有し、人命や財産の保全ができることは勿論、構造躯体を通常の建築物よりスリムにできることから自由度の高い快適な空間を実現します。