建築の品格について
 住宅には、品格が必要と思います。それには建築のデザイン、プランニング、そして素材の選択、色彩の調整、プロポーションの美意識などの総合的感性がもたらす調和が建築の品格を生むのでしょう。今、再び品格とプロポーションについて考えて見ましょう。
俗と品(エレガンス)
美意識の高い「気品ある建築」と俗な建築の違いはどこにあるのでしょうか。

例えば服飾デザインの世界でも、エレガンスを感じる服と、そう思えない服の違いを、私たちはその感性で、見た瞬間に感じてしまうものです。 その知覚能力は人類の優れた特性のひとつです。その違いがわかる人の能力は、建築のデザインにも言えると考えます。美しいと感じるデザインには、素材の良さ、形の美しさ、使う人、住む人に伝える高い感性とメッセージがある。光、陰、風、音、湿り、などから、五感に働きかける響く力があるものを良いデザインと言うのではないでしょうか。
  最近の建築デザインに、住まいに気品が失われていませんでしょうか。日本の地方都市を見ても、みな同じ外装、形態の羅列です。風土性も伝統もなく、悲しくなります。建築、住まいにかつてあったあの品格と存在感を再び取り戻したいものです。

プロポーションについて
 観る人に心地よさ、快さを、伝える上で、建築表現の寸法と比例(プロポーション)のよさが確かにあるものです。人の器の建築を作るうえで、何を基準にして寸法を決定しているのでしようか。 その術とは何でしょうか?その寸法の集積を空間と呼ぶならば、快い三次元空間に隠された、プロポーションとは何でしょうか。古来から比例論には、様々な論がいわれているますが、いい空間の体験と身体寸法が建築家の原点であろうと、私達は考えます。  以下にその美の原理を求めた軌跡を一部紹介します。
木割り
日本建築の各部の比例関係を表すことを木割り(きわり)という。室町時代から伝わり、各部の寸法を決定の基準を大工や棟梁に伝えてられてきた。有名なものに 平内家に伝わる伝書 「匠明」 1608年がある。木割りは日本の尺貫法に深く関連している。尺貫法は代表的な身体尺で、一尺は肘の長さが基準とされる。
黄金比
黄金比は英語で( Golden section.) といいます。
ギリシャの神殿の各部は黄金比は黄金比率、黄金分割によっているといわれている。
人間にとって最も安定し、美しい比率とされ、建築や美術的要素の一つとされる。 縦横2辺の長さの比が黄金比になっている長方形は、どんな長方形よりも美しく見えるといいます。
名刺や葉書やTVの画面は黄金比 である。 その比率とは 1:1.61803...
モデュロール
ル・コルビジェが提唱した、人体寸法と黄金比から考案した基準尺度をいう。
フランス語の module と黄金比 Section d`or を合わせた造語。
人体の標準身長を183cm、手を伸ばした長さを 226cm へその高さを113cm とし、それをフィボナッチ数列と黄金比によって求められた数値を用いると、美しい空間が出来ると提唱した。
当社の代表者の師の坂倉準三先生は、コルビジェに学び、吉阪隆正と共に日本に伝えた。
パターン・ランゲージ
ギリシャのC.アレキサンダーが建築・都市計画を計画する際に提唱した理論。快適と感じる、美しいと感じる空間、建築を分析して、253のパターンに分類した。